「ねぇ、あやちゃん。このひとだぁれ?」

「え……!?」

「ちょ……っ、露ちゃん!?
何言ってるの!?」

「あやちゃんのおともだち?」


そこにいた全ての人が驚きを隠せず、露の発言に目を見開いたというのに、当の露は至極当たり前のように問いかけている。


「……っ」


何が起こっている?

なぜ、露はこんなことを……?


「露!僕だ、霧だよ。
悪い冗談はやめて……」

「おにいちゃん、だぁれ?」


露にくいかかるように問いかけても、露は不思議そうに僕を見るだけ。

まさか、露は事故のショックで記憶が……?

それに露の言った“お兄ちゃん”というのは?