僕らの間に沈黙が流れる。


僕は変わらず頭を下げたまま。

2人がどんな表情をしているのか、何を思っているのかを伺うことはできない。


そして、ようやくその沈黙が破られた時、僕はこれでもかというほどの驚きを見せてしまうこととなる。


「やだー、霧くん、そんな気にしなくていいのよー」

「え?」


あまりにも明るい綺さんの声。

その声に僕も思わず顔を上げてしまった。

今、彼女はなんて……?


「だって、霧くん。確かにケガはしたけど露ちゃんはちゃんと生きてるもの」

「そうそう、手術も成功したしね」


綺さんに続くように陸さんまでも笑って答える。


「でも、露は僕をかばって――!」