「僕がお願いした連中に襲われた時、光るものを出されただろう?」

「え、はい……」


確かに、暗い細道で捕まった時なにか光るものを目の前に突きつけられた。

ああいう状況で持っているものって言えば、ナイフかなって思ってすごく怖かったけど……。

もしかして?


「ごめんね、露。
彼らにはこれを渡してちょっとそれっぽく見せてもらったんだ」


やっぱり!


「……怖かったよね?」


悲しそうな表情でそう確認してくる霧様はすごく儚げでかっこよかったんだけど……。

でも、ここはちょっと強気でっ!


「あ…当たり前です!」


いくら霧様の仕掛けたどっきりだったと分かったとはいえ、あの時本気で殺されるかと思ったんだもん。

霧様はご主人様だけど、ちょっとくらいの意地悪は許されるよねっ?