霧様との時間は今日だけじゃないもん、また一緒に遊びに来れるもんね。

遊園地だけじゃなくて、他にもいっぱいお出かけしてたくさん霧様と遊びに行きたい。

それでもっともっと霧様を知って、ゆくゆくは……。

なんて、きゃーっっ!!

その先を想像して恥ずかしくなり、その雑念を追い払うとすでに先を歩いてしまっていた霧様を追って私も遊園地を後にした。


「そういえば露、これ……」

「え?」


遊園地を出て帰りの電車の中。

霧様と一緒で楽しかったけど、いろいろな事があって疲労が出ていた身体を手すりに預けるように座っていると、隣に座る霧様がポケットからあるものを取り出し私の前に差し出してきた。


「これって……?」


霧様が持っていたものは、ピカピカに光っている銀色の小さめの定規。

なんで今、霧様が定規なんて……?