「してねぇけどっ、」 「じゃあなんでそんな事言うんだよ! 自分の事、自分で傷つけてどうすんだよ!! お前は何もしていない! だったらそれはお前自身が守ってやらないといけない意思なんじゃねぇの」 そう……だ。 俺は何もしていない。 誰かに何を言われても、それだけは 自分だけは信じてやらないといけない事だった。 「そうだよな、俺だってなんもしてねぇもん 殴られる意味分かんねぇよ」 「そうだ、」 「ムカついてきた」 「それでいい」 隆平はそうやって笑うと、俺に近づいて小さな声で言った。