コロンと床に落ちるあめ玉。


俺はそれを無視して立ち上がり

教室から飛びだした。

廊下に出てきた所で、行くあてもない。

そこに立ち止まっていると教室の中から俺の悪口が聞こえてきた。


そうなるよな。

もういいよ、別に。

好きなだけ言えばいい。

自分の心を無心にして遠くを見つめていると

今度は塚越にクラスの男子がイジメの提案を持ち出した。


「田辺が教室戻ってきたら上からバケツで水落としてやんの

ちょっとベタだけどよ、楽しいイタズラじゃね?」


やればいい。


別に塚越とそんな仲良くなったわけじゃねぇし

周りの意見と俺の気持ち

どっちが大事かなんて決まってる。