心の弱い自分はいつまでも悲しみに捕まったまま
もがき苦しみ溺れてく。
ひどく疲れた私は一人
ぼーっとした瞳で家に向かっていると
ふと家の近くの公園で足を止めた。
「先輩、あの……卒業、おめでとうございますっ!」
「ありがとう」
同じ制服を着た男女がいる。
男子の方は隣のクラスの子であった。
「ネクタイを……交換してもらえませんか」
緊張した様子で聞く後輩の女の子。
「うん……交換しようか」
笑顔を浮かべて答える男の子の様子に
学校のジンクスのことを思い出す。
”ネクタイを交換すると、お互い幸せになれるんだって”


