「隆平が一番に笑っていてほしいと思う相手は沙良ちゃんだから」
ぐっと、涙をこらえる。
生きてる意味が無いわけがない。
だけれど
寂しくて、苦しくて、悲しいから
そんな現実から逃避しようとする。
ねぇ、隆平。
どうしたら私、元気になれますか?
ーー。
それから私は
隆平が2年生の頃に座っていた席につき
小さな声でありがとう、とだけ伝えた。
教室に戻ってからは、満くんと梓に隆平のお墓参りに行かないかと誘われたけれど
けっきょくそれも断ってしまった。
ごめんね、みんな。
ごめんね、隆平。
行ってあげられなくて
本当にごめん。


