「いらねぇよ」


田辺くんは近くで見ると可愛い顔をしている。

だけれど、今みたいに鋭く睨む目は少し怖い。


もしかしたら、人を近付けないようにしているのかもしれない。


「んな事言うなよ、タダなんだから貰えればラッキーじゃん?

後はさ、アイツらに礼とか言ったら喜ぶと思うぜ」


隆平が私たちを指差す。

すると、その光景を見ていたクラスの子達がざわつき始めた。


「ねぇ、塚越が田辺にお弁当あげてるよ」

「え、なんで?

あんなヤツにあげなくていいのにー

塚越もなんで田辺に構うか分からないよね」