「あ、じゃあ私……雑巾持ってくるね!」 そうやって立ち上がると 「いい。迷惑だから 一人でやれる」 田辺くんはそう言って教室を出て行ってしまった。 「沙良、うちらも手洗いに行こう」 「うん……っ。」 お弁当、拾ったの 迷惑だったかな。 そんな事を考えながら手を洗っていると 「なぁ、なぁ」 いつの間についてきたのか 塚越くんが私たちに話しかけてきた。 「今日の弁当、少しわけてくんねぇ?」 「え……?」 「満の。俺がアイツに特製弁当作ってやろうと思ってさ 協力してくれよ。」