「隆平が戻ってこれた事と、満くん、梓の大学合格に乾杯……!」


「乾杯」


みんなでグラスを合わせる。

キンっとガラスがぶつかる音がひどく懐かしく感じた。


3ヶ月親と医者以外無菌室の中に入ることは許されなかった。

ほとんどの間一人で過ごしてたんだ。


「久しぶりだって思うよな……ホント」


「そうだよ!私、もっと短い間だって思ってたから……

隆平に会えない間不安で不安で」


泣きそうな沙良に言う。


「ごめんな心配させて」


本当につくづく良かったと思う。


あの日の告白の返事を、すぐにしなくて。