塚越くん……?


彼は田辺君に近づいて、彼の頭を丸めた本で叩いた。


何してるんだろう。

私の目線を梓が追うと彼女は言った。


「塚越じゃん、何?

ちょっかい出してんの?」


「わかんない……けど」


「あ、田辺少し笑ってんじゃん」


叩かれた彼が顔をあげ、何やら

塚越くんと話してから笑顔を見せたのは確かだった。


田辺くん、あんな優しく笑うんだ。

そんな人が嫌な人だとは思えないなあ。


目がハッキリしていて少し可愛げのある男の子。


「塚越くんっていい人なのかな?」


自己紹介の時といい、彼に近づいていった時といい