正直、記憶になかった。


「いや、いいんだ

ちょっと残念だったけど


俺、赤坂和っていいます。3年なんだけど

沙良ちゃんと中学一緒でさ……」


そこまで言うと先輩は何も話さなくなってしまった。


な、なんだろう。

こういう雰囲気には慣れていなくて居心地が悪い。


すると彼は言った。


「ずっと前から好きだったんだ

一緒の学校なんだって最近知って嬉しかった

だから……付き合ってほしい」


えっ……!

先輩が私のことを好き!?


驚きすぎて言葉が出なかった。


「あの、私……っ

赤坂先輩のことまだ全然知らないし」