「………だって?」



振り向いて小首をかしげた表情(カオ)が、子どもながらに『やれやれ』感が漂っていて、

おませな仕草が可愛くて、思わず自分も吹き出してしまった。


「ママ、大変そうだな」


「お花さん、ちょーっと待っててね、ママ助けてくるよ」


隅の手洗い場で土を流した俺は、続けて小さな手を洗ってタオルで拭いてやり………



「んじゃ、行こっか、心咲(ミサキ)」


「うんっ! しーちゃんのお世話、まかせてっ!!」



小さな手が、俺の手を握り返した────……