ぼくが泣きやむと、トコちゃんはポケットからハンカチを出し、 ぼくの涙をふいて、 「おかーさんもおばーちゃんも心配してるから、行こう」 そう言って、離れないようにギュッと手をつないでくれた。 あったかくて、優しくて、………すごーく安心するトコちゃんの手。 でもね。 おかーさんとは、ちょっとちがう気がするんだ。 「ありがと、トコちゃん!」 なんだかうれしくなって、ぼくもギュッてしたら、 ニコニコしたトコちゃんと目があった。 ────ぼくが3さい、トコちゃんが8さいの、 夏のできごと。