「……ふふっ」 ……幻聴だろうか? 今、小さな笑い声が聞こえたような気が…………。 「なかなか美しい目だ。 そんなに震えていると言うのに まだ抗うとは。 面白い……。 ますます手放したくなくなった」 再び風が舞い上がり、 気がついた時には、わたしは再び 押し倒されていた。 目の前に居たのはモンスターでは なく、冷たい微笑を浮かべた男性。 モンスターの姿は、どこにも無し。