叶わぬ恋。





・・・せっかく聞けるいいチャンスだと思ったのに。



わたしは口を小さく尖らせ、机に伏せた。





どれくらいたっただろうか。


いきなり今度はわたしを呼ぶ声がする。




「夏目ー!!」



振り向けば今度は矢野くんがわたしを呼んでいた。

鈴森くんはその場にも隣の席にもいない。



廊下の方を見てみると
トイレの方へ行く鈴森くんが見えた。





・・・っていうか。


矢野くんがすんごい目つきで睨んできてる。



わたし、何か悪いことしたのかな。




おろおろしながらわたしは
矢野くんの元へ行った。