ふと背中に誰かが見ている気配がして、後ろを見た。


「……」


―やっぱ、いたよ…。

髪の毛が長い女の人。

生きている人間とは思えない青白い血色。ボーと意識もうろうと立っている様に見える。


そう、わたしが見えている女の人は幽霊。

わたしは小さい頃から幽霊が見える性質で、物心ある頃から見えていた。


最初は、普通の人と思って話しかけていたりしていた。けれど年を追う事におかしいことに気づいた。


わたしが幽霊を見えることを知っていたのはおばあちゃんだけだった。

そのおばあちゃんも去年亡くなり、知っている人は1人もいない。




わたしはいつものように目を逸らし空を見上げた。