ある高校のある屋上、ある少女の叫び声が空に響いていた。

―――


「何で0点なのさー!!」


高校に入って初めてのテスト。

そこで、名前を書き忘れていて人生初の0点。


わたしは「名前ぐらい…見逃してくれればいいのに」と、愚痴を漏らす。

「ふう」と溜め息を吐き、地面に膝を軽く抱えて座り込む。


ここ最近、この屋上という場所はわたしの憩いの場になっていた。

高校に入ったばかりであまり馴染めなくて。

話しかけてくれる人はいるんだけど、気を使わないで済むこの時間が結構好きだったりする。



「今日の空綺麗だな」


そんな呟きが空に消えていくようで、

わたしは空を見上げる。


雲一つ無い綺麗な空色。