なんとか初めてのラブレターを書き終えた。

《烈へ。

ずっと烈のことが好きでした。

話す機会とか余りないけど、好きです。

私は推薦で合格してるけど、烈は明日受検だもんね。

頑張って。

返事は烈の受検が終わってからでいいから。

烈も一息ついてからの方が良いでしょ?

受検頑張って。

そんで、待ってます。

あんずより。》

授業を二時間サボって書いた手紙。

初めてのラブレターだからこんなのでいいのかわからない。

でも、自分の全てを書いた手紙。

返事はきっとNOだと思うけど。

伝わればいい。

そう思ってるはず…。

「あんずっ?」

「ん?どしたの?」

歩未がこっちを振り向いて言う。

「なんで…。泣いてるん?」

「は?」

私はいつの間にか泣いていた。

「だいじょぶ…か?」

「うん。全然だいじょぶ…。」

大丈夫なんかじゃなかった。

でも、歩未の気持ちを知った私は歩未に心配かけられる立場じゃなかった。

「だいじょぶじゃないだろ?」

「ううん。もう、ほんとにだいじょぶ。


私はもう泣き止んでいたのでほんとに大丈夫だった。

「そうか…。あっ。俺の気持ち…。気にすんなよ?」

「え?」

「俺は、お前が烈と付き合えるならそれでいい。烈ならな。」

「烈なら?」

「俺の一番の親友だからな。
烈なら許す。」

「そっかー。

わかった。

じゃあ渓と緒羽に渡してくる。」

「おう。」

なんだ。

歩未そんな風に思ってたんだ。

烈と付き合えるなら、歩未とまた友達やっていけるんだ。

じゃあOKもらわなきゃ。


私は気づかなかった。

結局最後まで。

歩未の本当の気持ちを…。