男の子は遊具に夢中で、あたしたちのベンチには見向きもしない。 バカみたい。そんなことの何が楽しいんだか。 あたしはそんな目で男の子を見つめた。 「奈瑠美。」 いきなり名前を呼ばれ、びくっと驚いた。 先ほどまでと打って変わり、低く唸るような声だった。