その夜、皆が寝静まった真夜中にあたしは自室を出る。 すでに廊下は真っ暗で、気をつけていないと転びそうだ。 玄関について、あたしは深呼吸をする。 終わり、なんだ。ここに戻ることはもうないし、あたしはこれから自分の初旅を始める。 とはいえ、ここに育ててもらった恩を忘れたわけじゃない。