「あんたが施設にいることも知らないわよ、多分。」 「…前、一回捕まりましたよね?」 あたしの質問にぴくっと眉を上げると、その人はあたしを睨む。 「あ?だからなによ。」 「あの捕まったのは…お母さんと、あたしのお父さん?」 「なわけないでしょう。離婚してんだから、新しい夫よ。戸籍上あんたはあたしが預かったし、苗字が同じなのは当たり前。」