LIFEー世界でたった一つのものー


そして上映が終わり、あたしは立ち上がる。回りにいた客もどんどんいなくなる。

なのになぜか三枝くんは座って顔を手で覆ったまま動こうとしない。
「ちょっと。どうしたの。」

「…先に出てて。」
「は?次の人たち入ってくるから、早く出ないと。体調悪いの?」

そんなになるほど見たくなかったのかとなんだか罪悪感を感じて、あたしは思わず彼の手を握って顔から離させた。