彼氏、なわけないんだけど。 なんとなく、言い返す気にもなれずあたしは結局その誤解をとくことなく目的地に到着した。 「奈瑠美、降りるぞ。」 三枝くんの声に、あたしも立ち上がる。 「奈瑠美さんっていうのね。おしあわせにね。」 妊婦さんは手をフリフリと振っていた。