「…別に。」 行きたい場所なんてわからない。 だって、まずあの施設から出たことなんて殆ど無いんだから。 いつも部屋に閉じこもってたし。 「じゃあ俺が決める。」 勝手にすれば、と思いながらあたしは自分の数少ない荷物の入ったかばんを開ける。