「でもそれはあなたのせいじゃ…」 彼はゆっくり首をふる。 「弟はまだ小学生だった。兄貴は昼寝してた。キッチンの鍋の火がついてるって俺はわかってたのに、ほっといて出かけたんだ。」 かける言葉がわからなくて、あたしは黙ってた。 「その後俺は親戚の家に預けられた。けど、その親戚も俺が中学卒業直前に…。地震の時に俺の本棚が倒れてきて、下敷きになった。」