その時だった。 「ゲホッ!ゴホッ!」 後ろからそんな声が聞こえ、思わず振り返ってしまった。 そこには先程の彼が座り込んでいた。 その横には苦しそうなおばあさん。 「ど、どうし…」 「救急車呼べ!」 彼が大声であたしに叫び、あたしは思わずビクンと肩を震わせた。