光ちゃんは
淡々と続けます。





「お母さんは
クラシックバレエを教えていて、
あの人は
ヒップホップやブレイクダンス、
後は
ダイエットエクササイズを教えていた」


「インストラクターというやつね」


「それが本当に、
びっくりしたの」


光ちゃんは
私を見て
本当に楽しそうな表情をしました。





「松田優作みたいな男の人だった」


「って、
光ちゃん
リアルタイムに知らないでしょう」


私が言うと、
光ちゃんは声を挙げて笑いながら続けます。




「DVDで観た事があったの。
母がファンだったから。


顔は浅黒くて
ワイルド系、
彫りが深くて。


『望ちゃん、
彼女かな？
電話で話してくれた子は。


よろしく、
優作です』


って握手を求められた。


笑顔がすごく爽やかで、
瞳が優しそうだった。


身長なんか185cmはあったよ。
腰の位置が高くて
脚が長くて」





私は
松田優作が
ヒップホップダンスを踊っている姿を、
一生懸命
想像しようとしました。


全く、
絵が思い浮かばないので、
諦めて続きをせがみました。