「望ちゃんは
こう言った。


『だけど…………、
どんだけ人間的魅力があっても、


《だけどあの人は太っているし》


と割り引かれてしまう事の方が多いよ』


って」


「あうう。
言えてる」





「『スプレー』
って映画があったよね。
太った女の子が、
歌と踊りで
ハイスクールに旋風を巻き起こす。


森公美子さんや
柳原加奈子さんみたいな、
太っていてもチャーミングな人は
確かにいる」





ここで、
光ちゃんの瞳には
更なる強い意思の光が射していました。
















「でも、
『スプレー』
の主人公みたいに
歌や踊りの才能なかったら
どうなる?


森公美子さんみたいな
美しい声と歌唱力がなかったら?


柳原加奈子さんみたいな、
お笑いの才能なかったら?」





「…………やはり単なる太っている人、
って事になるかも」





「よく、
みんな
こうした人達を引き合いに出すけど、
あの人達は


『太っている事が
売りであり
セールスポイント』


な訳よね。


たいていのデブキャラタレントさんは、
痩せてはいけないの。
痩せてしまったら、
CMとかの契約はパー、
違約金払わなくてはいけなくなる」