「いいね、それ!面白い!
その方向でPOPを作っていこう!!」
「ほ、本当ですか!?」
「ああ、いいと思う。
問題となる文言だけ、改めてみんなで意見を出していこう」
さっきまで、あたしが企画に戻ってきたことに渋い顔をしていた木村さんも、今ではすっかり明るく対応してくれている。
これであたしも、企画に参加できるだろうか……。
意見をつかってくれるだけでもありがたいけど、やるなら最後まで参加したい。
「豊田さん」
「はい」
「勝手に振り回して悪かった。
企画、これを採用するから、中心になってこれからも頑張ってほしい」
「……はいっ!」
木村さんに謝るのと同時にお願いされ、あたしも思わず笑顔になって頷いた。
「……へー。豊田さんもそんなふうに笑うんだ」
「あ……」
谷口さんに指摘されて、ハッとした。
確かに、歯を出して微笑むなんて、入社して以来初かも……。
指摘されたことに少し恥じらいを感じ、再び顔を伏せた。
「いいじゃん。もっと笑ってなよ」
「……はい」
その言葉に、もう一度顔を上げた。

