もとはといえば、こんなことになった原因は上沢さんにある。
だからかもしれないけど、そうやって必死に食い止めてくれることは意外なことで……。
あたしだって、こんなことで外されるのは嫌。
毎日のように練りに練った企画。
誰にも発表することなく、捨てられるなんて……。
「……分かりました。
少し待っていてください」
きりっと前を向くと、パソコンを取りに戻った。
長い間、作り上げた企画書を印刷して……。
「こちらがあたしの考えたものです」
もちろん、意見を言うためのものだから
完璧な企画書なんかではない。
それでも一緒に進行してきた三人には見てもらいたかった。

