歪んだ愛しさ故に

 
「俺に好きな人が出来たときねぇ……。
 本当にそんなのが出来ると思ってんの?」

「…っ」


両手首を掴まれ、上から自嘲するかのような笑い。


あたしにたいして笑っているのか、
自分にたいして笑っているのか……。


口角をあげて微笑むその顔は、ゾクリとするほど恐怖を感じた。



「俺が女に求めてんのは性欲を満たすためだけのものなの。

 だから余計なこと言ってんじゃねぇよ」


「やっ……」



たくし上げられたシャツ。
ずり下げられたジーンズ。


荒々しいキスとともに、痛いほどの愛撫が体を撫でまわし、
まだ十分に準備も出来てない体に、上沢さんが侵入してきた。


「ぃ…たっ……」

「…っ」


彼の行為は容赦なくて、
ギリッと肩を掴む爪に力を入れた。



最悪……。

だから男は嫌いなんだ。