歪んだ愛しさ故に

 
「……は?」


上沢さんは、その言葉に眉をしかめて睨んだ。

余裕な微笑みが消えたことに、少し嬉しく感じる自分も、十分悲しい人間だけど。


「人を卑下して……苦しめるためだけにあんなことして……」

「いいじゃん。それが楽しいんだし」


「いつか自分が誰かを好きになった時も、絶対に素直になれなくなりますよ」

「……」


軽い忠告のつもりだった。

この人が、本気で誰かを好きになるとか、全然想像がつかなかったけど、
あまりにも自分がバカにされていることに苛立って、そんな台詞を言っただけだった。


だけどその言葉を言われた瞬間、

一瞬……
ほんの一瞬だけ……


上沢さんの顔が歪んだ気がした……。



「上沢さん……?」


「ずいぶんなこと言ってくれんじゃん」


「きゃっ……」



次の瞬間、あたしは上沢さんの座るソファーの上に引きずり込まれた。