「でもさー、
 もしかして豊田さん、上沢さんのこと、好きだったりする?」


うわ…
めんどくさいフリが来た……。

思わず顔に出てしまいそうだったけど、それをなんとか堪えて無表情のまま彼女を見返した。


最初に質問してきた相崎さんはひかえめな感じだけど、もう一人の浜野さんは少し嫌味ったらしい性格。
だからこうやって、少しでも気に入らないことがあると、徹底的につぶすのだ。


「まさか。
 そんなわけないよ」

「そうだよねぇ……。
 まあ、もし仮に好きだったとしても、上沢さんと豊田さんじゃ不釣り合いだよね」


きゃはは、と笑いを添える彼女は、結構性格が悪いらしい。

あーやっぱ女子って、そういうのいくつになっても変わらないんだな。


ちょうど店員さんが、注文してきた料理を持ってきて、それらがテーブルの上に並べられた。

あ、結構おいしそう……。


普段、ほとんどコンビニなどで買って社内で食べるあたしにとって、こういった外食はレアだった。
だからあつあつのパスタを目の前にして、思わず目が輝いた。



「分かってると思うけど、あたしらも上沢さんのこと狙ってるんだ。
 だからあまり変なことしないでよね」

「……」



浜野さんは、さらに嫌味な言葉を続けると、あたしに釘を刺していた。