歪んだ愛しさ故に

あれからフロアに戻って、業務を再開。

眠気はすっかり吹っ飛んで、周りの声が聞こえなくなるくらい集中していた。


ハッと我に返ると、すでにフロアには数人の人しか残っていなくて、
金曜日ということもあって、飲み会に向かった人たちも多いようだ。

もちろんあたしは、誰からの誘いもなかったけど。


ってか今何時だ?


「……」


時計を見て、青ざめた。


すでに右下のパソコンが示す時計は、0:24という時刻を示していて……



やばい、電車……。



終電が経った今、出発したところだった。



「……最悪…」



思わず、漏れてしまった声。


結局今日もタクシーか……。
せっかく残業して頑張ってるのに、タクシー代で意味なくなっちゃうじゃん……。


心の中でボヤいて
パソコンを閉じた。