「お前、何者なわけ?」
情事が終わって、煙草に火をつけながらそんなことを聞いてくる。
「吸うならベランダに出て」
「ちっ……」
質問には答えず、彼を部屋から追いやった。
煙草の匂いはかぎたくない。
かぐと自分も吸いたくなってしまうから。
窓は開けられたままで
そこからやっぱり、ほんのりと煙の匂いがただよってくる。
ああ……
やっぱ落ち着くな……。
「………さみぃ…」
吸い終わったのか、いそいそと部屋に戻ってきて、
吸ったばかりの煙草を流し台に勝手に捨てている。
季節は冬。
そんな中、ボクサーパンツ一枚で外に出れば、そりゃ凍死する覚悟だ。

