薄目を開けると、
驚いて目を見開く上沢さん。


その顔に、ほんのりと微笑んで
ゆるんでいる唇の間に自分の舌を絡めていった。


「…っ……」


途端に乱れる呼吸。

捕まれる肩。



この場がタクシーの中だということを忘れるほどの荒々しいキス。



キーッとタクシーが停まることで
そっと唇を離して、彼のもとから離れた。




「家……
 寄っていきますか?」




あたしに絡んできたことを
後悔させてやろう。


ずっと女をバカにしてきた罰だ。




「………ああ」




ズタボロに傷つくまで

離してなんかやらない。