きっとあの日。

コンビニで偶然居合わせたあの日から……



(……悪いけど、
 あたしは貴方みたいな人、大嫌いだから)



それを言われた時
心の底から彼女を自分へと振り向かせたいと思ったのは

それはもう、彼女に惹かれていた証拠。



大嫌いと思っているなら
大好きと思わせてやる。

俺ナシではいられないほどの人生に……。



そう思っていたはずなのに……




「縛り付ける必要なんてないよ。

 そんなことされなくたって、あたしは拓の傍にいるから」




そう言ってくれる彼女は、
いつも俺より一枚上手で……




「………ん。

 じゃあ……とりあえず、もう一回シよっか」


「え……」




彼女ナシの人生を考えられなくなったのは
俺のほうだったのかもしれない―――。




          ~fin.~