ずっとずっと最低なことを繰り返してた。


自分の育った環境のせいにして
表と裏を使い分け、女を見下していた自分。


本気で人を好きにならないんじゃない。

本気で人を好きになることが怖かっただけ。



もう一度、
好きになったと気づいたとき、失うことが怖くて……。



だけどもう、そんなことは考えない。


失うことが怖いのなら
絶対に失わないようにしてやる。




「拓?
 今、何考えてたの?」



じっと見上げてくる彼女。


二つの瞳は
俺の漆黒の瞳と反して、薄茶色の儚い瞳で……




「ん?どうやったら、お前を永遠に縛り付けておけるかってこと」

「……何それ」




それとは似つかわしくない、強気な口調。