歪んだ愛しさ故に

 
思考回路が停止した瞬間だった。


今あたしは何を言われたんだろう……。


好き?
告白……?


拓が……あたしに……?



「かたまりすぎだろ」



あたしのおでこにかかる前髪をそっとかきあげて
苦笑交じりで言葉を漏らす。


停まってしまった思考回路を
少しずつ動かし始めた。


「なん…で……?」

「なんでって……
 悪いな。好きになって。

 面白そうっていう理由なだけのはずだったのに」

「そうじゃなくてっ……」


確かにそんな理由で始まってた。

それをずっと気にしてた。


だけど今、あたしが一番気になっていることは……



「葵さん、は……?」



ここまで会いに来た、葵さんの存在だった。