「あいつ、あの傷作った時、どうしたの?って聞いたら、酔っ払いに絡まれたって言ってたんだけどさ……。 瞬時に察したよね。 あー、琴音関係で何かやらかしたんだな……って。 その前日、夜連絡つかなかったから」 「あ……そうなんですか……」 確かに、あんな傷を作ったら、誰だって突っ込みたくもなる。 けど、拓に殴られたなんて、玲子さんに言えるわけないだろう。 健太はいつも、あたしに玲子さんにバレていいの? なんて聞いていたけど、 本当は最初から、バラす気なんてサラサラなかったんだ。