本当は、このままぶちまけたかった。

健太は玲子さんの思っているような、いい彼氏なんかじゃない。
最低で最悪で、卑怯なことをしてくる男だ、って……。


そのつもりだったはずなのに……



「あたし、何かしたかなぁ……」



遠い目をして、ぽつりとつぶやく玲子さんを見たら
そんな言葉なんか言えなかった。