「琴音……」


ふんわりと撫でる、優しい腕。

あたしの意識はまだ夢の中。



だけどなんとなく感じる
優しい声と手のひら。



「ごめんな……。

 こんな愛し方しか出来なくて……」



泣いているような
悲しい声。


意味の分からない言葉。



愛し方……?

あたしは……拓に愛されてる……?



夢なのか現実なのか
それを理解する前に、あたしの意識はまた夢の中へと途絶えた。