「琴音……」
「…っ」


ひんやりとした手が、パーカーの中に着ていたTシャツの中にまで潜り込み、背筋がぞっとした。


簡単に到達されてしまった、ブラの上。
嫌な気持ちが胸いっぱいに広がる……。


「すげー邪魔くせぇ」


強引にパーカーとTシャツを一緒にたくしあげられ、頭を通して腕の部分で止められた。

そのせいで、身動きもうまく取れなくなる。


「琴音……琴音っ……」


うわごとのように呼ばれる名前が、心の底から気持ち悪いと思った。

自分の名前を吐き捨てたくなるような……
そんな思い。


もう一度あたしは
力づくでこんな男に抱かれてしまうんだろうか……。