正直、玲子さんとの仲が壊れるのは嫌だった。


あたしが真面目スタイルであった時から、ずっと距離をとらずに声をかけてきてくれた玲子さん。
一緒に飲みに行くようになって、波長が合うと気づいてから本当にかけがえのない先輩となっていた。


出来るなら、これから先も、ずっと玲子さんと仲良くいたい。
黙っていられるなら、こんなこと、バレたくなんかない。



だけど……




「アンタなんかが、玲子さんの彼氏でいることのほうが許せないっ……!!」




あたしの想いは、そっちのほうが強くなった。



たとえ玲子さんに恨まれるような結果になっても、この先玲子さんが健太を良い彼氏であった、と思っていることのほうが嫌だった。
ましてやそのまま付き合い続けるとか……。


「だからその写真を見せて、破局すればいいじゃんっ!!
 あたしはどう思われたって構わないから!!」

「……てめぇ……」


予想外のあたしの返事に、健太の顔が一瞬で歪んだ。


余裕のあった笑顔もない。
あるのは、欲にまみれた男の顔。