目を大きく見開きながら、あたしの話を聞き終えた健太は、
頭から足先までじっと確認するかのようにあたしを見た。


化粧っけのない顔。
簡単にしばられた髪。
オシャレセンスもない銀縁メガネ。
色気のないパーカーにジーンズ。


決して、家の中だけじゃない。

会社でも……
仮にデートをすることになったとしても、このスタイルは変えない。

4年以上もこのスタイルでい続けたあたしに、なんの抵抗もないから。


足先を見つめた健太の顔が、再び持ち上げられ、あたしの視線と絡み合った。


そしてその口元が、くっと上がった。




「べつにかまわねぇよ」




その言葉を言った表情は
4年前のあの日がフラッシュバックする微笑みだった。



(なあ、いいだろ?)