「俺のせい?」

「そう。
 茜と健太が付き合ってるとき、急にあたしに手を出してきたよね。
 あげく、茜にバレたとき、あたしが誘ったのだとか言って……」

「……ああ…」

「その日から、茜との友情は途絶えた。
 茜だけじゃない。あたしの周りから女友達が消えたの。

 あたしと友達になったら、彼氏をとられるっていう噂がまわって」

「……」


まだ20歳だったあの頃。
大学で、いつも茜と一緒にいた。

だけど健太が間に入るようになり、そこから少しずつあたしの人生は変わっていった。


「べつに、それはいいんだ。
 そんな噂でいなくなるような友達は、しょせん友情ごっこにしか過ぎなかったんだ、って割り切ってるし。
 あたしも、軽い女だったのは事実だし。

 だけどその日から、軽い女に見られる人生を変えたの」


「……それが、このスタイル?」


「そう。
 最近ようやくあるきっかけで吹っ切れたと思ってたけど……。

 健太があたしの近くにいるんだったら無理。

 あなたがあたしに絡んでくる以上、あたしはこのスタイルでい続ける」


決して、健太へのあてつけという意味だけではなかった。


また同じことを繰り返さないよう……。
あたしのことなんか相手にしたいと思われないよう……。


そんな女でいたいから。