歪んだ愛しさ故に

 



疲れた……。

ようやく最寄駅まで来て、大きくため息。

今日は終電は免れたものの、すでに11時を回ろうとしている。


でも明日が終われば、休日。
今週末こそは、ゆっくり休もう。

そう決心しながら、自分のマンションへと向かった。


住み慣れたマンション。
決して、上沢さんの住んでいるマンションのような、綺麗で新築なわけでもない。

だけど自分としては結構気に入っていて、2年間住んできたなりの愛着がある。


部屋の前にたどり着いて、鍵を取り出し開けた。

鞄とコートをいつもの場所に置き、どさっとソファーに身を投げる。


携帯携帯……。

少し前なら、眼鏡を外して髪をほどくことから始まっていたけど、今ではそんなことは無用。
その代わり、メイクを落とすというめんどくさいものがあるけど。


投げられた鞄から携帯を取り出して、チカチカと光っている画面を開いた。

どうやら、メールが届いているらしい。


めずらしいな……。
どうせ、メルマガとかでしょ。


なんて思いながら、メールボックスを開くと、
そこに記されていたのは、登録もされていないアドレスが連なっていて……。


誰?


不思議に思いながら、メール画面を開いた。




「―――っ!!!」




その瞬間、携帯をぽとりと落とした。