「茜ー」

担任に呼び止められた。

「はい?」

「大丈夫か?帰れるか?」

「ダイジョーブです」

茜がふて腐れた顔で答えた。

「ほんまかいな(笑)」

「ほな先生送ってやー」

「俺まだ帰られへん」

「あっそ。濡れながら帰るわ」

「はよ帰れ」

「冷たいなぁ、ほなまた明日」

「ほなな」

♪~♪~♪~

茜の携帯がなった。担任はまだ隣に居る。

「不必要なものは持ってこない!」

「必要やから持って来てんねんやん」

「屁理屈言うなー、取り上げるぞ」

「あかん、たぶん母さんからや」

「どうせ彼氏やろ(笑)はい、ボッシュー」

「彼氏なんか居てへんし!母さんからやって!ちょぉ、返してや!」

担任が鳴っている携帯を茜から取り上げ、何気なく携帯のサブ画面を見た。

≪着信中 祐吾≫

「ほんまに彼氏からやん、はよ出ろ」

そういって茜に携帯を返した。

「彼氏なんか居らんって。」

そういいながら、茜は電話に出た。

「もしもし?」

『俺やけど・・・』

「ごめん、まだ学校やねん。先生居るからまた後でかけ直すわ」

『まだ学校?迎えに行ったろか?』

「ほんまに?!頼むわ!」

『玄関おり。俺も学校帰りやからすぐ着く思うから。ほなまたな』

「うん、ありがとう!」

祐吾が迎えに来てくれることになって、一件落着。
担任にも別れを告げ、茜は学校の玄関で待つことにした。